どれだけ歳月が過ぎようと



「待って。どこ行くの」

「どこって、コーヒーをいれにいくのよ」


 立ち上がってすぐ彼に手をつかまれた。

 痛いほどに力をこめれれる。


「痛い……」

「座って。今日は言いたいことがあって来たんだ」

「いや……」

「お願いだから座って」

「やめてっ……聞きたくないっ!」


 彼の手を振り払い距離をおく。

 彼に触れられた箇所が熱い。

 何を言おうとしているのか予想できる。


 最悪だ。


 自分だって同じ事をしたのに。