ふたつの想いが重なるころ



「あれ? そういえば崎は?」

「あー…
崎なら写真の仕事で、北海道に住んでんねん」

「えっ、そうなん!?」


崎こと崎田元(さきたはじめ)は、

あたしたち5人と仲の良かった友達や。

あたしはずっと、崎のことが好きやった。


「崎なぁ、今彼女と同棲してんねんて」

「同…棲…?」

「あぁ。俺らと同中で東眞緒っておったやろ?」


東眞緒(あずままお)。

もう二度と聞きたくなかった名前。