コンコン。
「はーい」
中から懐かしい崎の声がして、
あたしは泣きそうになるのをこらえた。
ドアが開き、大好きなあの人が顔をのぞかせる。
「はーい、誰ー………夕…陽……?」
あたしの姿を見た崎はドアを開ける手を止め、
じっとあたしを見つめた。
「久しぶりやね、崎。
元気やった?」
あたしは冷静を装って崎に問いかけた。
「あぁ…元気やったよ」
2人の間に沈黙が流れる。
あたしは何と切り出していいか分からんかった。
その時、
崎が口を開いた。
「東京…」
「へ?」
「東京から戻ってきたん?」
「あっ……ううん。戻ってきたわけやないねん。
遊び来ただけ」
「誠が“夕陽が帰ってくる”ってメール送ってきたから、てっきり戻ってくるんかと思ったわ」
「あはは……」
あたしの心臓はドキドキで、
崎に聞こえてしまうんじゃないかと思った。

