ふたつの想いが重なるころ



あたしたちは2階にある3年の教室へと向かった。

ここにあたしの思い出はないから、

みんなについて行くことにした。


「みんなは何組やった?」

「崎だけが5組であとは1組やったよ」

「そういえば5組には東もおったな…」


ここにいる者誰1人として知らん、

3年5組という崎と眞緒の時間。


この1年が崎を更に変えた原因となった。


「崎ね、3年になってから全然あたしたちと話さんなってん」

「そうそう。話してる時はいつもと変わらんねんけどな」

「クラス割り見た時崎だけ離れてたから、『休み時間なったら遊び行くわ』って言うてたんやけど、ほとんど来ーへんかったし……」

「やから送られてくる写メに崎おらんかったんやね」

「やっぱり夕にもちゃんと言うとくべきやったな……ごめん」

「気にせんでええって。
多分聞いてもあたし抱えきれへんかったやろし…
みんな今日謝ってばっかやで!
笑ってや!」

「……せやな!
せっかく久々に会ったんやから楽しく行こー!」


そのあとあたしたちは学校を隅々まで見て回った。