ふたつの想いが重なるころ



そんな思い出のある1年3組の教室に入った。

あの頃と何も変わらん。

なんだか切なさがこみあげてきた。


1年3組の教室を出ると、

3階の2年の教室へと向かった。

この中学はなぜだか分からんけど、1階が1年、2階が3年、3階が2年という造りになっている。


3階に着くと、まっすぐ2年6組に向かった。

あたしたち6人が共に過ごした教室やった。

たったの3ヶ月しか通えんかった教室やけど、

1番思い出のある教室。


あたしはかつて自分が最後に座っていた席へと向かった。

毎日この席から崎の背中を見つめていた。

何度席替えをしても、あたしと崎は近い席になった。

口では『また~?』なんて言ってたけど、

本当はすごく嬉しかった。


運命なんやと勝手に思っていた。

やれど運命なんかじゃなかった。


崎の運命の相手は、あたしではなく眞緒やった。