前半·後半と点数が入らないまま、勝敗はPK戦に持ち越された。


確かに相手は決勝まできているだけあって、強かった。


でも、俺達には優勝常連校を倒したって言う自信と仲間との絆がある。


キーパーの池田が粘りを見せ、5人の蹴ったボールはゴールには入らなかった。


あとは、俺達の最後の一球に託された。


それを蹴るのは………


俺。


仲間を見て、観客席にいるであろう立川を探した。


だけど、さっと見渡しただけでは見つかるはずがない。


再び相手のキーパーに向き直った。


すると、目の端に見えた人影。


それは、手を合わせて祈っている立川だった。


俺は深呼吸して、ボールを蹴った。


果たして、結果は!?





ボールは、相手の並んでいる山を越え、キーパーの手を通り抜け…




スパ―ン





気持ちいい音をさせて、ゴールに入った。



……やった!


俺達…勝ったんだ!!!


俺は、腕を高く上げ、人差し指を天高く突き刺した。


仲間が俺の回りに集まって、頭や肩などを叩いてくる。