「ヴィルトス?ヴィルトスですって?」 突如、今まで静かに成り行きを見守っていた女王が声を上げた。 「本当にヴィルトスなの?」 「ああ、そうだよ。母さん」 「どういうことだ?俺に兄はいないはずだ」 ヴィルトスが返事をしたのと同時に女王は走りよってきた。 「本当にヴィルトスなのね?ああ、生きていてよかったわ」 女王はヴィルトスを強く抱きしめ額に口づけをした。