あんな事があってからまだ数時間。
雨は強く弱まる事を知らないように、段々と激しくなっていっている。
私はずっと、船長室から帰ってきてから部屋に閉じこもってばっかり。
さっきも、船員の人が呼びに来てくれたみたいだけど、寝たふりをしてしまった。
ショック?
では、なかったことは確か。
どうしても、うまくこの感情を説明することはできない・・・
ヴィルトスの事を考えるとドキドキするし・・・今も頭から離れない。
こんな事は、初めて。
人魚はみんな大抵、昔からの風習で親に決められて結婚するから『恋』なんて知らない。
うん?私がまるでヴィルトスに恋してるみたい。
そんな事あるわけない・・・あっちゃいけない。