なぜだろう?
このハスキーボイス・・・安心する。
「俺はヴィルトスだ。お前わ?」
「私は、アシェル」
私がそう呟くように答えると扉にもたれていたヴィルトスはゆっくりこっちに近づいてきた。
「大丈夫か?」
「おかげさまで。それにこの尾ひれはちゃんと足に変わるもの」
そう今度ははっきり答えるとヴィルトスは少し眉間に皺をよせた。
「このまま海に帰るのか?別にここにいてもいいぞ」
思ってもない質問。
どうしよう?いったん帰るべき?
でも・・・この人達と一緒にいるのも面白いかもしれない・・・
それに・・・海に帰れば絶対思い出すと思うから・・・

