涙を目にため、鼻をグスンとかむと、目の前に大きな陰が立ちほこる。




「へ…??」




間抜けな声を発し上を向くと、私をみながら笑っている斗真の姿。




「と…斗真」




「ったく…何やってんだよ」




斗真は私に手を差し出すと、ギュッと抱き寄せる。




その胸の中が心地良くて誰にも譲りたくないと、少し贅沢な事を思ってしまった。