「違うから」




頭上で声がして、顔をあげると、再び先輩に抱きしめられた。




「お前可愛すぎんだよ…」



そんな事を恥ずかしがるわけでもなくポロリと言う矢崎先輩に、こっちが照れてしまう。




先輩から、なにかの香水の香りがして、その匂いをいっぱい吸おうと頬をスリスリする。




すると、いつの間にか矢崎先輩が三メートルくらい先にいた。