堪えられなくなり、その場から逃げるように走る。




…私以外の人とキスしないで…。




そう言いたいけど、こんな事口が裂けても言えない。



胸が…痛い。




「ふぅ…グスン…ぅぅ」




地面にしゃがみ込み、顔を隠すようにうずくまる。




キスしてた。




知らない人と。




受け入れたくない現実が、私の前でおきた。




私ってこんな弱虫だったんだって、あらためて実感する。




こんなやわな心じゃ、先輩に迷惑かけちゃうよ…私。