「撮影…疲れました?」



「え、まあ……でもお前の方が疲れたんじゃない?衣装もたくさん着て、色んなポーズ取って、すげーよな…尊敬するわ。」




尊敬………



泉サマからお褒めの言葉をいただき、なんだか嬉しくなった。



「大変ですけど、楽しいです。可愛い服はたくさん着れるし、仕事してるときはいつもの自分じゃないみたいで………」



「うん、全然違ったな…あーんってやるの全然ためらってなかったし…。」



「……あれ…そんなことやりましたっけ?」



「記憶ないんかい!」



「すみません……」





仕事モードのときってほとんど記憶が残らないんだよなあ…



そんなことやってたのかあたし…恥ずかしい!





「あのさー………」



「はい?」



「西山と仕事一緒になることって多いの?」



「樹くんですか?そ…そうですね…最近多いですね。」



「……今度の映画、アイツと一緒なんだって?」






あれ……なんで知ってるんだろ…



あたし言ったっけ?




「は、はい……」




「キスとか、したりすんでしょ。」








『キス、してもいい?』








ほわあっちゃー!!



キスという言葉で、なっななな何を思い出してるんだあたし!



今はその話をしてるんじゃないのに!