けれど……先輩、私は先輩に釣り合う女の人になりたいんです。 もうひとくち飲もうと決意した瞬間 「あぁ!!!」 目の前に置いてあったブラックコーヒーの色が和らぎ、優しい色と甘い香りに変わった。 「無理すんなよ」 先輩は呆れながら砂糖とミルクを入れて円を書くように混ぜた。 「無理して飲んでどうすんだよ」 だって…… 「コーヒーに砂糖と牛乳なんて邪道だけど、お前にはこれがぴったりなんだろうが」 それから、ほら、と私に甘くなったコーヒー……カフェオレを差し出した。