[キーンコーンカーンコーン]


鐘がなる。これからHRの時間である。あたしは、自分の席に座った。


ガラッと鐘よりも少し遅れて開く扉。そこから入ってきたのは、背の高い美人な女性だった。



『みんなおはよう!』



爽やかな笑顔を振る舞い、大きな声で挨拶をする。おとなしそうな顔をしていると思ったのに、意外と元気な先生。


『えっと、今日からこのクラスの担任になりました、峰崎広佳〈ミネザキ ヒロカ〉です!みんなよろしくねー!』


先生の元気のいい声は、教室中に広まった。先生はそのあと、教室内を見渡す。こっちへと、目を移したとき、先生は何故か少しだけ驚いた顔をしたのだった。