そう言った彼は、すぐに受付から離れ、オフィスのある方へと歩いて行った。


『逢坂さんの旦那さん、かっこいいよね~うらやましい~って、逢坂さん?顔赤いけど……』


ほかの受付の人が、あたしにそう言ってきたが、あたしはさっきの彼の言葉に顔を熱くさせてしまっていた。顔の赤いあたしを見た受付の人は「ふふっ」と笑って仕事に戻るのだった。


”愛でてやる”


思い出すだけで、体中が熱くなりそうだった。でも、嬉しいという気持ちもあった。そしてあたしは静かに微笑んだ。




――ずっと、そばにいなさいよ。あたしだけの、俺様甘甘王子様。






―――――fin...