【続】俺様甘甘王子様




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『みーやび!』


――補習最終日。


補習の最後の授業が終わると、前の席の龍が振り返ってきてあたしの名を呼んだ。それも、満面の笑みで。


「なに、どうしたの」


あたしはその笑顔に少し引きながら、答える。


『明日、午後1時に雅んち迎えに行くから、支度して待ってろ』

「え、いきなり何よそれ」

『デートだよ、デート』

「はぁ?!」

『文句言ってねぇで、今日はさっさと帰るぞ』

「うわっ」


そう言った龍は、少し強引にあたしの手を引っ張り、昇降口へと足を急がせた。