「あれれ、環ちゃんリボンタイどうしたの?」

「…あ"ぁー習っている書道教室に置いて来ちゃったんだよね」


翌日、案の定友人達に言われてしまった。それもそうだ、一応しなくちゃいけない決まりだが…ほとんどの人間はやっていない。



教室を見渡してみれば、派手めな女の子達がそれぞれの恋の話に花咲かせていたり、流行のファッションなどなど…。

男達は男達で可愛い女の子の話、漫画や音楽など。みんながみんながそれぞれに輝いているように気がした。



(——それに比べると、)

私はぶっちゃけ陰キャラだと自負している。だけど、あんまり暗く見られたく無いから野暮ったい髪の毛はポニーテールに結い上げてスカートは短めにしている。


オシャレが嫌いなわけじゃない、寧ろ綺麗になりたいという願望はある。



「そうだそうだ!環ちゃんが借りたいって言っていた漫画持って来たよー!」

「マジで?!アリガトー!!お小遣い貰っていないから、助かるー!」



別に私がオタクだからって誰にも迷惑をかけていない。だから、そんな凍てつくような目で私を見ないで欲しい。



(これがもし、はー君だったら?)


別にはー君が美少女モノの漫画やアニメを好きって言っても、みんなは「素敵〜」って良いのけてしまうかもしまう。だって、それに伴う実力や能力がある。


はー君を馬鹿に出来るものなんて何一つ無いんだから。








「あっ、小堺さん。英語の宿題やってきた?」


突如、私の席に現れて来たのはこのクラスのリーダー格である「矢沢ゆう」ちゃんだった。しかも言い方に威圧感があるのですが……。


「やってきたけど」

「じゃあ、貸して」


こんなやり取りが結構続いているのを考えると、私は相当なダメ人間だと思う。