君死にたもうことなかれ

また二匹、朱雀を仕留める。

「あ、ありがとう…刹那君…」

俺の戦いぶりに驚きを隠せず、それでも礼を言う舞姫。

だが、群れはまだまだ十匹を下らない。

それぞれ奮戦する隊員達。

「く…!」

俺は怒りに任せて朱雀群に突撃しようとして。

「待ちなさい刹那君!落ち着いて!」

舞姫に肩を掴まれた。

「何を興奮しているの?茹だった頭で特攻を仕掛けても危険だわ!」

「……っ!」

九条を殺した化け物どもの群れ。

それを前にして、確かに俺は冷静さを失っていた。

このままチマチマやっていては、また新しい犠牲者が生まれるかもしれない。

その事に焦り、苛立ち、焦燥に駆られる。

その時…。