君死にたもうことなかれ

作戦内容に対する、隊員からの質問はなかった。

早速俺達は出撃準備に取り掛かる。

班編成は前回出撃時と同じ。

但し俺は御手洗班に、ナスティ中尉は早乙女班へと組み込まれる。

九条がいなくなった為、一班四人編成としたのだ。

すぐに甲冑を装着し、輸送機へと搭乗する。

乗り込む間際。

「刹那三等兵」

意外にも俺に声をかけてきたのは早乙女大尉だった。

「何か」

「……」

しばしの沈黙の後、大尉は重苦しく口を開く。

「お前はせいぜい死なないようにする事だな。九条の死が無駄にならんように」

…この時の俺には、その言葉の意味する所が理解できていなかった。