君死にたもうことなかれ

自室に戻り、教本を机の上に置く。

…一度深呼吸してみる。

いかん…冷静さを欠いている。

何もかもに憤り、当たり散らす。

まるで子供だ。

舞姫はあんな風に言ってくれているが、九条が死んだのは俺が不甲斐ないせいじゃないか。

それを飛鳥伍長にまで当たり散らすとは。

己の未熟さに辟易する。

その未熟さに唾棄するならば…。

「!」

突然の静寂を破る、基地内の警報。

出撃を告げる警報だ。

…そう。

己の未熟さに唾棄するならば、その憤りを任務にぶつけろ。

俺は自室を出て、機械甲冑格納庫へと急いだ。