翌日。

九条の遺体は輸送機に載せられて、故郷へと帰っていく。

無言の帰宅。

戦死を遂げた九条は二階級特進。

一等兵として兵士としての人生を終えた。

…第504駆逐小隊の誰もが、もう二度と棺の中の九条の姿を見る事はなかった。

変わり果てた九条を見るには耐えられなかったのだ。

基地の駐機場から飛び立っていく、九条を載せた輸送機。

その輸送機に向かって、俺達は整列し。

「全員、九条一等兵に向かって、敬礼!」

御手洗少佐の号令で敬礼する。

俺もまた、険しい表情のままで九条を見送った。




さようなら、九条。

お前の死は、無駄にはしない…絶対に。