その日の訓練を終え、俺は自分の使用した甲冑の保守点検を済ませる。

第504駆逐小隊の仕事は何も戦う事だけではない。

兵器の整備や点検、場合によっては戦場での修理や応急処置などもできるよう、構造なども把握できて初めて一人前なのだ。

特獣自衛隊に入隊してまだ一ヶ月。

一人前と呼ばれるには、俺も九条もまだまだだ。

ようやく自分に与えられた仕事を済ませ、基地内の長い廊下を歩く。

と…「?」

廊下の突き当たり、基地の事務局の扉の前。

俺は早乙女大尉が立っている事に気づいた。