「愚かな。恥を知れ飛鳥」

凍りつくような白夜大尉の視線。

思わず尻餅をついた飛鳥伍長は、微動だにする事ができない。

軟弱な彼の、腐った性根を叩き直すように、彼女は言う。

「我らは明日の平和の礎。弱き者の盾。命をも国家に捧げ、弱者を災禍より守る防壁となるべき者だ」

その言葉に、潜んで聞いていた俺さえも愕然とする。

弱き者の盾。

平和の礎。

弱者を守る防壁。

時代錯誤とも言える思想。

しかしその意識の高さ、志の高さ。

こんな武人が現代に存在していた事に、感銘すら覚えた。