君死にたもうことなかれ

「とはいえ」

白夜大尉は銃を引き、代わりに俺の眼前に手を差し出す。

「新兵にしては筋は悪くない。訓練を続ければ、いい兵士になるだろうな。精進しろよ」

「…了解」

俺は彼女の手を握り、引き起こされる。

甲冑越しに握った、白夜大尉の手。

それなのに彼女の手は、その勇ましさとは裏腹に、華奢で女らしい繊細さを持っているような、そんな気がした…。