君死にたもうことなかれ

顔を上げる。

その目前に。

「っっ…!」

俺は12ミリアサルトライフルの銃口を突きつけられていた。

無論、白夜大尉によるものだ。

「これが実戦ならば、お前は脳漿を飛び散らせて即死している所だ、刹那薫」

ひどく冷たく低い声で、白夜大尉が言う。

抜き身の刃で背中を撫でられたような、戦慄。

その感覚に、俺は思わず息を飲まずにはいられなかった。