君死にたもうことなかれ

俺は甲冑越しに早乙女大尉を睨む。

御手洗少佐の簡単な説明で、この甲冑の武器は聞いていた。

背中の鞘に納めてある対獣刀、そして腰にマウントしてある12ミリアサルトライフル。

どちらも現在は模擬戦闘用のものであり、甲冑に直接傷を与える事はない。

「どうした、遠慮は要らん。それとも…」

鼻で笑う早乙女大尉の声が聞こえた。

「実戦になるとチビって動く事もできんか?」

「……!」

正直、カッとなった。

こんな短気さが原因で懲罰房行きになったというのに、全く反省が出来ていないといえば、そういう事になる。

ともかく俺は、背中の刀を抜刀して早乙女大尉に突撃した!