君死にたもうことなかれ

そうか…。

俺はもう一度、舞姫伍長の顔を見る。

彼女も徴兵制で入隊した隊員だと言っていた。

同じ境遇の身として、俺や九条の心配をしてくれていたのか。

「ありがとう、舞姫伍長」

「『舞姫』でいいわ。但し早乙女大尉がいない時だけね」

微笑みを浮かべたまま、彼女は懲罰房を出て行く。

最後に。

「三日間の辛抱よ。頑張って」

そんな一言を残して。