君死にたもうことなかれ

俺は舞姫と共に地上に降り立つ。

際限なき破壊の末に、荒野と化した戦場。

吹く風は冷たく、傷ついた兵士達を苛む。

「…終わったのよね…?」

機械甲冑を脱ぎ、舞姫が言う。

「終わっていない」

俺は呟いた。

何も終わっていない。

この世界で、謂れなき破壊と殺戮の末に死んでいく者がいる限り、何も終わったとは言えない。

これで終わった事にしてしまったら、九条達のように死んでいった者達は報われない。

彼らは、守る為、救う為に死んでいったのだ。

俺達がここで無責任に終わらせる訳にはいかない。