君死にたもうことなかれ

それが、本当に九条の行動なのかは分からない。

だが、九条は確かに『轟天』の中で生きていて、直前に、俺には九条の声が聞こえた。

…俺を生き延びさせる為、九条が俺を『轟天』から強制排出した。

俺はそう解釈している。

無人となった『轟天』は斬獣刀を構え、玄武の胸部やや左寄り…心臓のある位置に刃を突き立てる!

更にその状態で、『15式広域爆弾』を作動させる!

巻き起こる大爆発!

心臓部を爆発によって抉り取られ、さしもの玄武も断末魔の悲鳴を上げる。

…そのまま巨大な神獣は、ゆっくりと崩れ落ちていく。

人類への審判を下すべく出現したのであろう、神獣・玄武。

神の使いは今、遂に人類の叡智の結晶…そして人類の『想い』の力の前に、沈んだのである…。