だが、相手は日々肉体を鍛え込んでいる軍人だ。

「…きっさっまぁぁあ…!」

早乙女はすぐに立ち上がり、俺に二発目の拳を見舞う!

「上官に手を上げるとは何事か!三等兵風情が図に乗りやがって!」

俺の軍服の襟を掴み、立て続けに三発の拳。

更に腹にも二発。

思わず胃液が逆流しそうになるのを堪える。

「いい機会だ、この場で俺が特獣自衛隊の規律の何たるかを叩き込んでやる!」

俺の髪の毛を掴み、引き摺り起こす早乙女。

しかし。

「!」

更なる制裁を加えられる前に、一人の金髪の大柄な男性兵士が、早乙女の腕を掴んだ。

「……」

「ドルフ、放せ。邪魔をするな」

威圧的な声でその男性兵士に言うものの、早乙女の腕はガッチリと掴まれたまま。

むしろ男性兵士の力に押し負けている感さえある。