君死にたもうことなかれ

爆発、血飛沫、弾痕。

次々と玄武に傷痕が刻み込まれている。

それまでの圧倒的なまでの威圧感はどこへ消えたのか。

最早今の玄武は、倒すのが不可能な神の獣ではなくなっていた。

手強いながらも、人類の総力を結集すれば太刀打ちできる敵。

しかし。

「ぐぁっ!」

隻腕での打撃に跳ね飛ばされ、俺は地面に叩きつけられる。

損傷率45パーセント。

既に『轟天』のダメージも著しい。

…ここまで追い詰めておきながら、玄武は尚も沈まない。

チマチマと小さな傷を与えるだけでは、玄武は致命傷には至らないのだ。

歯噛みする。

『轟天』でも無理なのか。

間違っていると考えた白夜大尉達のやり方でしか、この化け物は仕留められないのか。

その事が悔しかった。

不本意には違いない。

だが…。