君死にたもうことなかれ

大爆発を起こす玄武の口腔内。

その炎の中で、ノイズに紛れ、微かに白夜大尉の声が聞こえた。

「今から逝くわ、飛鳥…まだ私の事…待っててくれるかしら…?」

「……っっ…!」

それは初めて聞いた、『女』としての白夜大尉の声。

『兵士』としての仮面を脱ぎ捨て、最期の最期で『女』としての素顔を見せた、白夜大尉の偽らざる言葉だった。

その言葉も。

「!!!!!!!!」

玄武の頑強な大顎を粉砕するほどの大爆発に飲み込まれる。

「…おぉぉ…おぉぉおぉぉぉおぉ…!」

慟哭した。

白夜大尉…。

貴女は…間違っている…!