君死にたもうことなかれ

玄武が苦悶の声を上げる。

二人の命と引き換えにした一撃によって。

…どうしてこうなった…。

どうしてこんな事になってしまった!?

大地に両手をつき、跪き、まるで頭を垂れて許しを乞うような姿の俺。

その傍らに。

「……」

白夜大尉の『疾風』が立つ。

彼女の目的も、聞かずして察する事が出来た。

「大尉!」

俺は彼女の足を掴む。

放さない。

放す訳にはいかない。

放せば、白夜大尉もまた…。

「放せ、刹那三等兵」

白夜大尉の凛とした声が響く。

「御手洗少佐、ナスティ中尉の身を呈した攻撃は見事…しかしあれだけではまだ足りない。玄武に、更なる致命的な一撃を与えなければ、倒す事はできない」