君死にたもうことなかれ

次の瞬間。

「!!!!!」

玄武に比べると、羽虫程度の大きさでしかない『疾風』。

その大きさからは考えもつかないような大爆発が、玄武の右腕…肘から先を完全に消滅させた!

『15式広域爆弾』は単体でも相当な範囲、相当な威力を誇る爆弾だが、機械甲冑内に搭載され、そのバッテリーと直結される事で、更なる破壊力を引き出す事ができる。

既に武器を失った特獣自衛隊だが、玄武に有効なダメージを与える事ができるほどの威力。

逆に言えば…。

「ナスティ中尉…!」

俺はガクリと膝をつく。

あれ程の爆発だ。

甲冑内のナスティ中尉は、最早骨すらも残ってはいないだろう…。