君死にたもうことなかれ

煉獄。

そんな言葉が相応しいような、戦場の光景。

市街が、部隊が、大地が見る見るうちに焼け野原となる。

動くものは炎、黒煙、そして後退する部隊のみ。

そんな中、玄武のみが海上から上陸し、無人の野を往くが如く、ゆっくりと歩を進める。

「密集隊形を組むな!玄武の火球でまとめてやられるぞ!」

御手洗少佐が指示を出しながら後退する。

後退する他なかった。

既にどの部隊も、朱雀群との戦闘、そしてハイヴ攻略戦で殆どの武器弾薬を使い果たしてしまっている。

この上、玄武に麻酔弾が通用しないとなると、近接兵装のみで立ち向かわなければならない。

あの巨体に接近戦を挑む。

あまりにも無謀な戦術だった。