君死にたもうことなかれ

しばらく歩くと、2階建ての大きな建物が見えてくる。

第504駆逐小隊宿舎。

ここが今日から俺達の我が家となる。

「とりあえず食堂に行っておいてくれ。改めて俺の方から、他の隊員達に紹介する」

事前に俺達が渡した必要書類などを手に、少佐は歩いていく。

「…食堂はこっちか」

「とりあえず何か食べさせてもらいたいですぅ」

俺と九条は言われた通り、宿舎内の廊下を歩いて食堂へと向かった。

それほど複雑な造りではない宿舎内で、食堂はすぐに見つかった。

中に入ると。

「……」

数人の軍人達が談笑しつつ、食事を取っていた。

短く髪を切り揃えた、軍人然とした男性。

温和な表情の女性兵士。

中には金髪や銀髪の外国人兵士、ハーフなのではないかという顔立ちの兵士もいる。