君死にたもうことなかれ

96式多目的誘導弾システムの射程はおよそ10キロ。

発射されたミサイルはハイヴに直接は命中しなかったものの、その周囲で爆発して、護衛役の朱雀達を麻酔ガスで昏睡状態にしてしまう。

ここからが本格的な作戦だ。

戦闘機、航空性能を持つ『疾風』の両部隊が空中より接近し、残る朱雀達を掃討する。

勿論、ハイヴ内の朱雀達も黙っていない。

すぐさまハイヴより湧いて出て、特獣自衛隊の部隊との戦闘が開始される。

800万対1200万。

下関ハイヴ周辺は凄まじいまでの激戦区となる。

飛び交う砲撃、ミサイル、超音波メス。

両断された戦闘機や『疾風』が炎を上げながら地上に墜落する一方、ミサイルや12ミリアサルトライフルを浴びた朱雀も、鮮血を撒き散らしながら地上に落ちていく。

その地上では、戦車隊や『金剛』の部隊が、直接ハイヴに攻撃を加えていた。

戦車の砲撃が、金剛のパイルバンカーが、巨大建造物のようなハイヴにダメージを与えていく。

それを阻止しようと、朱雀もまた地上部隊に襲い掛かる。

朱雀と特獣自衛隊、双方入り乱れての乱戦だった。