君死にたもうことなかれ

怒りを、憂いを、悲しみを飲み下し。

俺は機械甲冑の内部で目を閉じる。

「刹那君…」

『雅』を纏った舞姫の手が、俺の手を握り締める。

鋼の感触しか持たない筈の手。

その手から、まるで温もりが伝わってくるようだった。

…そうだ。

この温もりの為にも、俺は生きる。

神獣どもを蹴散らし、この国に迫る危機を薙ぎ払い、俺は生き残る。

否、俺も、仲間も生き残る!

「それではこれより、『暁作戦』を開始する!!!!!」

総司令官の声により、特獣自衛隊全部隊が動き出す。

「よし、我々も続くぞ!第504駆逐小隊出撃!」

御手洗少佐の声に。

「応!」

俺は声高く応じた。