君死にたもうことなかれ

「とりあえず君らを第504駆逐小隊の宿舎に案内しよう。長旅で疲れただろうしな」

御手洗少佐の案内により、俺達は敷地内を尚も歩く。

「有り難いですう。もうクタクタで、お腹もペコペコなんですよぉ」

九条が眉をハの字にして言う。

まるで友達感覚の喋り方だ。

彼女は俺と行動を共にしている間中そうだった。

一応俺も、階級は同じとはいえ彼女より二つ年上なのだが、そういった年齢の差をあまり気にしないようだ。

如何にも今時の10代と言えた。

もっとも、俺も礼儀作法については他人の事は言えないのだが。