舞姫は別の質問を口にする。

「この戦争は…終わると思う?私達は…人類は神獣に勝てるのかしら…」

「わからん」

彼女の方を見る事なく、俺は即答した。

戦わずに勝てるかどうかわかるほど、俺には眼力はないし、勝てないかもしれないと尻込みしていては、人類は本当に滅亡する。

朱雀達は、この日本の国土に存在する人間を食い尽くしたら、今度は別の大陸へと侵攻するだろう。

この地球に存在する全ての人間を捕食するまで、奴らは繁殖し続ける。

それに朱雀だけではない。

飛鳥曹長を屠った、あの玄武…。

「神獣って…『自然破壊を繰り返してきた人類を滅ぼす為の神の使い』って意味で名付けられたんでしょう?」

舞姫が作業する手を止めた。

「だったら…玄武は朱雀の味方でも人間の味方でもないっていうの…理解できるかも」