「刹那君は…この戦争が終わったらどうするの?」

「……」

黙々と『轟天』のグリスアップをしていた俺。

しかし、ややあって。

「俺は特獣自衛隊を除隊するつもりだ」

俺は表情を変える事なく言った。

…こんな人を人とも思わない組織に、長い間いたくない。

今は戦時下だ。

俺一人のわがままで隊を抜ける訳にはいかないが、この戦争が終わって平時となれば、俺が要る理由はなくなる。

この組織の人間が、俺は信用できなくなっていた。

「そうか…そうね…刹那君の気持ちもわかるわ…」

少し俯き加減のまま、舞姫は小さく呟いた。