君死にたもうことなかれ

振り向き、傍らに立つ轟天を見上げる。

九条の犠牲の果てに完成した、俺にしか使いこなせない機械甲冑、轟天。

俺がこの甲冑を拒否するという事は、俺が九条を拒否するという事。

俺がこの甲冑を拒否するという事は、九条の死を無駄にするという事。

たとえこの轟天を纏う事が、狂気の沙汰…その一つに数えられる事だとしても。

今は混乱を極めた血みどろの戦争の真っ只中。

退く事も、戻る事も許されないのならば…。