君死にたもうことなかれ

「その戦いに…我が第504駆逐小隊も参加する…憎んでくれて構わん…恨み、罵り、軽蔑してくれて構わん…」

御手洗少佐の頬を、涙が伝う。

「俺は蛇蝎の如く忌み嫌われようと、この国を守りたい…後の歴史に悪と語られようとも、日本を救いたいのだ…」

「……」

その涙に、絆された訳では決してない。

ないのだが…俺は少佐から離れた。

「いいさ…使ってやる…『轟天』…俺が使ってやる」