君死にたもうことなかれ

振り向くと同時に、俺は御手洗少佐に踊りかかった。

『轟天』から飛び掛かると同時に、少佐の顔面に膝蹴りを叩き付け、そのまま地面に押し倒す。

後は馬乗りになって殴打した。

ひたすらの殴打。

相手が上官である事、入隊以来ずっと世話になっている事、この行為が上官反逆罪である事、このまま殴り続ければ、或いは命も危うい事。

…全てどうでもよかった。

いや、むしろ殺す気でいた。

「貴様は!貴様は貴様は貴様は貴様は貴様は貴様は貴様は、貴様はぁああぁっ!」

狂ったように連呼し続け、拳が砕けんばかりに打ちつけ続ける。

少佐の鼻骨が折れ、歯が飛び散り、顔が朱に染まり、どす黒く腫れ上がり。

それでもこの男を許す事ができず、俺は殴打し続けた。