君死にたもうことなかれ

数日後。

早乙女大尉のささやかな反抗の中、呉基地に本部からの輸送機が到着した。

『轟天』と『雅』が搬入されてきたらしい。

特に轟天は、特獣自衛隊本部の総力を結集して開発された機械甲冑だという。

それほどの最新鋭兵器を俺に任されるというのは、やはり俺自身も違和感のようなものを感じた。

入隊してたかだか数ヶ月の新兵に、何故それ程の甲冑を与えるのか。

俺の事を過大評価していると考えても、俺では役不足で御釣りが来るとさえ思えた。

…早乙女大尉の口にしていた、『あの計画』という言葉が思い起こされる。

御手洗少佐は言葉を濁していたが、何か第504駆逐小隊の隊員達には公表されていないような、極秘裏の計画でも存在しているのだろうか。