そんな中、呉基地では第504駆逐小隊のミーティングが開かれていた。

「まずは…先日遭遇した新種の神獣、レジストコード『玄武』の件だ」

御手洗少佐がそれを口にすると、各隊員の表情が曇った。

飛鳥曹長を屠った憎き神獣。

唯一仲間の仇として、仕留め損ねている敵だ。

…それでも白夜大尉は気丈に振る舞っていたが。

「本部の見解によると…神獣とはいえ朱雀とは別種の生物として認識しているようだ。体格も形状もまるで違うからな。当然と言えば当然だ…玄武の目的は明らかではないが、人類の味方でも朱雀の味方でもない…いわば第三勢力として考えてもらいたい。つまり、朱雀群との同士討ちを誘う事も作戦としては考えられるが…」

「飛鳥曹長の仇として討っても構わないという事か、少佐」

白夜大尉が凛とした声で言う。

「…問題ない」

少佐が頷く。

「そうか…安心した」

白夜大尉はいつものように平静さを保っていた。