隊員全員が輸送機に乗り込み、俺達は基地へと戻る。

…機内の隊員達は、皆一様に重い空気を纏う。

前回、今回と、出撃の度に仲間を失う。

今回の飛鳥伍長に限っては、遺体すら残らなかった。

ある意味九条以上の無惨な死に様だ。

「……」

俺は、任務を終えて機械甲冑を脱いだ白夜大尉の隣に行く。

「大尉…そんなに気を落とすな」

「…おかしな事を言うのだな。私が気落ちしているように見えると?」

白夜大尉は饒舌だった。

「まさか私が、飛鳥伍長の死に悲嘆していると?逆だ。勝手な行動で私を守って死んでいったつもりだろうが、自らの命をないがしろにする者は兵士失格だ。むしろ私は奴に失望している。全く…英雄気取りで隊に迷惑をかけて…」

「そうか」

俺にはわかっていた。

白夜大尉の普段以上の饒舌さも。

「ならば何故泣いている?白夜大尉」

人一倍、飛鳥伍長の死を悼んでいる事への裏返しだと。