君死にたもうことなかれ

巨象に戯れる小鳥のようだ。

日本列島の約半分の国土を牛耳り、国民の半数を捕食した朱雀が、玄武の前では何の抵抗も出来ない。

叩き潰され、焼かれ、千切られ、食い潰されていく。

何より。

「あいつは何故朱雀を屠る?同じ神獣ではないのか?」

白夜大尉が、玄武の圧倒的な強さを目の当たりにしながら呟いた。

それは誰もが思う所だろう。

神獣は人類に仇なすものであり、人類を滅亡に導く天敵。

それが全員一致の見解だったのだから。

俺達を…まるで救うかのごとく玄武は突然現れ、事実、朱雀の群れを殲滅していく。

まさしく四方を護る守護獣の一体、四神・玄武の如く。