直矢はそっとカラダをはなした。



そしてなにか言おうとしたのか少し口を開いたとき



♪チャチャチャ〜チャチャチャ、チャチャ〜チャチャ〜♪



ケータイが鳴った。



あたしのはマナーモードだから直矢のか………



直矢はあたしの横をすーっと通り電話に出た。



あたしの好きな歌手の新曲……直矢の着信音なんだ。



「もしもし?」



静かな部屋には直矢の声とかすかにもれる女の人の声が聞こえる。



「………早く!……でしょ?」



単語だけかすかに聞こえる。



きっと彼女だ………。



「まだ時間あんじゃん!あと………うわっ!あと30分じゃん!!」



タイムリミットはあと30分か………